東京室内歌劇場メンバーズコンサート2016 in Summer


真夏天国地獄

志村美土里先生がご出演される演奏会のご案内です。下記ピクチャをご覧ください。(クリックでPDFファイルが開きます)。
下記のURLに繋いだ方が簡単かもしれません。
http://www.chamber-opera.jp/items/view/435/

東京室内歌劇場。ご存知の方はご存じの通りですが、1969年に設立された団体で、畑中良輔・栗山昌良・若杉弘・三谷礼二と言った錚々たるメンバーの名前が並ぶ、伝統ある歌劇場です。私もその昔、クルト・ワイル作曲の「マハゴニー市の興亡」とか、ヨゼフ・ハイドン作曲の「月の世界」等と言う珍しいオペラを東京室内歌劇場の演奏で楽しんだ記憶があります。「マハゴニー市」のほうだったか、劇中劇の場で、故 林光先生が田舎のピアニスト役で出演していたのが鮮烈な記憶に残ってます。
今回、美土里先生がこの歌劇場のオーディションをパスし、メンバーとなられました。おめでとうございます!

で、来る8月10日(水)19:00〜渋谷区総合文化センター大和田で行われる同歌劇場の「夏の歌大集合」と、オッフェンバック作曲オペレッタ「天国と地獄」ハイライトが上演されます。美土里先生はこのうちの「夏の歌大集合」(夜の部)にご出演されるようです。
みなさま、ふるって拝聴しに行きましょう。

川島

参考:美土里先生からの近況報告(リーデルクランツ関係者限定)チケットの入手についても…

リーデルクランツ関係者以外でチケットをご希望の方は、こちらのお問い合わせより「チケット希望」としてご連絡ください。

2016_in_summer


東混第230回定期演奏会・レポート


予てより志村先生からご案内頂いていた東京混声合唱団第230回定期演奏会に行って参りました。
時は桜満開の3月26日、場所はいつもの上野の東京文化会館小ホールであります。

会社を定時で退社。出がけにちょいと買い物ってんで、社内にあるコンビニに入った瞬間、大変な事に気付きました。「財布を家に忘れてきた!」のであります。電車にはモバイル・スイカで乗れるし社食はプリペイドカードを使うので、現金は必要ない事もあって、夕方になるまで財布が無い事に気付かないと言うお粗末さ。でもって、本日の東混のチケットは件の財布の中。一旦、自宅に戻っては開演時間に間に合わない。あ〜ど〜しよ〜…と悩んでも仕方無い。なんとかなるさ…と、金もチケットも無いのに、一路、高崎線で上野に向かう。そうだ!東混ヲタクのリーデルの某アルトパトリ氏が本日の演奏会に来る筈。で、さっそく「実はこう言う訳で、金貸して」Mailを発信。すぐさま「大笑い」Mailが返ってきた。これで金は何とかなる。あとは当日券が残っているか?上野駅公園口で本日の「カネづる」となる某アルトパトリ氏と合流して文化会館へ。無事、当日券にありつけたと言う次第です。結局チケットを2枚購入する羽目にアイなりましたが、まあ、我が東混ですので、寄付したと思えばさほど損した気分にはなりません。

本日の指揮は田中信昭先生。ピアノは中嶋先生と言うゴールデンコンビ!
演奏曲目はと言うと…
入野義朗 作曲 「凍る庭」(1961年委嘱作品)
吉川和夫 作曲 「どうして あんなに」(2012)
権代敦彦 作曲 「六字大明咒」(2003)
篠田昌伸 作曲 「さかなまち」(2011)
と言う、かなり意欲的なプログラムと拝見する次第。期待が膨らみます。

開演前の会場を見渡すとあまり知ったお顔は見えないような…とおもったら、リーデル現役さんお二方が挨拶に来て下さいました。
今回は田中先生の指揮を良く見たいので、前方3列目、右端付近の席をチョイス。そうこうするうちに開演時間に。
東混メンバーの方々が入場されてきます。志村先生はちょっと髪が長くなった感じで決まってます。
で、田中先生登場。お歳はめされましたが、しっかりした格好良い立ち振る舞いは流石です。

一曲目「凍る庭」。本当に凍ったような合唱の響き。前衛的な作曲手法(作曲者のノートによると「六音の音列作法」とか)ですが、これが1961年の作品とは驚きです。そう言えば偶然ですが、ここ東京文化会館も同年1961年のオープンですって。で、この建物って、結構前衛的に見えます。音楽も建築も、この頃の芸術って今より前衛的だったんですかね?

二曲目「どうして あんなに」は或る和音からグリッサンドで異なる和音(関係調では無いと思いますが…自信無し)に移行するような難しそうな部分も出てきますが(東混、お見事!!)、基本的に近代和声がベースの、とても美しい楽曲です。作曲者のノートによると、自身は詩の背後に今回の大震災を捉えている様で、その事が、この曲の深みを形成しているように私は感じました。

20分の休憩を挟んだ三曲目「六字大明咒」。東混メンバーはピアノを真ん中に取り囲むように配列。指揮台はあるものの指揮用の譜面台が無い。「田中先生、暗譜で振るのかな〜」とか思っていたら、その田中先生は壇上で会釈をしたあと、ステージを降りて客席の最前列に着席されました。何事が始まるのかと興味津々でおりますと、厳かに曲が開始されます。歌詞は多分、サンスクリット語で、Om(オーム)、Ma(マ)、Ni(ニ)、Bay(ベ)、May(メイ)、Hon(フーム)の6音節がほとんど。意味は「オーム、宝珠と蓮華よ、幸いなれ」と言う事だそうです。これが延々繰り返されるのですが、音楽としては実に多彩で面白い!拍手の後、作曲者が壇上に上がり、「この曲は縦の線が合わなくても、自然発生的な盛り上がりの方を重視したいので、指揮無しとした」と言った趣旨のご説明をされていました。でも、東混は見事に指揮無しで歌い切りましたよ。

さて、最後の「さかなまち」。東京の下町を舞台にした詩による、地のセリフが多用されたりする面白い楽曲です。作曲者のノートによると「絶妙のレトリックとブラックユーモアを多量にまぶして熟成された、あまりみることのできない独特の」詩と言うことで、音楽も実に的確にそう言った世界を現出させていると感じました。

東混の演奏はどれも素晴らしく、難易度の高い楽曲を実に見事に歌い切っておられました。
アンコールは武満徹の「翼」。東混にとって自家薬籠の曲ですが、やはり絶妙です。
田中先生の指揮ぶりは相変わらず明確でお見事!同年代当時のカール・ベームよりも遥かにカクシャクとされてますね。
中嶋先生のピアノも実に素晴らしかった。

そんな訳で、大感動の余韻に浸りながら、次は上野公園の夜桜で一杯…とか思ったのですが、考えてみたら財布が無い、カネが無い…と言う訳で、そそくさと自宅に退散した次第でありました。

 川島


東混チャリティーコンサート・レポート


先週の木曜日(3月7日)、東京交響楽団の練習会場で行われた東京混声合唱団チャリティーコンサートにカミサンと二人で行って参りました。
場所は大久保駅近くの中央線ガード下の怪しげなエリア。こんなところに芸術の殿堂、東京交響楽団の本拠地が有るの???との不安を抱きつつ進むと、有りました。結構くたびれ気味の建物が。
入口を入ってすぐのところに、ささらさんの姿が。「今日はCDの売り子でーす」ってーことなので、こりゃー買わない訳には行かない。2011年のかつしかシンフォニーヒルズでの林先生の弾き振りのライブと、昨年11月17日に第一生命ホールで行われた山田和樹さん指揮による武満徹全合唱作品演奏会ライブを購入。
さて本日の演奏会場は冒頭記載の通り、東京交響楽団の練習会場と言う事ですが、意外に狭い感じ。フル・オーケストラが入ったらかなり窮屈なのでは無いでしょうか。そこに観客が僅か85名。待つこと暫し、おなじみの東京混声合唱団メンバーの方々が入場されます。何か、もったいないと言うか、贅沢な感じです。

演奏曲目は以下の通り。

ヘンデル「メサイア」より「ハレルヤ」
ヴェルディ「ナブッコ」より「行け思いよ、黄金の翼に乗って」
モーツァルト「アヴェ・ヴェルム・コルプス」
黒人霊歌「ジェリコの戦い」
コープランド「町からネコを連れてきた」
武満徹編曲「さくら」
武満徹「小さな空」
團伊玖磨「花の街」
村井邦彦「翼をください」
三善晃編曲「夕焼小焼」

曲の合間に、アルトの小野寺さんがMCを担当されてましたが、押しつけがましく無く、でもとても楽しいお話でした。
「花の街」の説明だけは指揮の松井慶太さん自身からありました。その直前の小野寺さんの説明で、東混初振りの頃の松井さんは口数が少なく話し下手だったとの事でしたが、この「花の街」は松井さんの高校時代(中学だったかも?)の実体験を自身で話されました。曰く、「先生から『この曲は実は悲しい歌なんだよ』との説明を受け、心にグサグサ突き刺さりました。」と言った内容で、なかなか巧く説明された後、演奏に入りました。
この「花の街」が悲しい歌だと言うのは私も知っていていましたが、ネットで調べたら、作詞者の江間章子自身のコメントを発見しました。
“詩<花の街>は、私には幻想の街、夢のまちであった。戦争が終って、平和が訪れたという地上は瓦礫の山、いちめんの焼土に立って、思う存分肺いっぱい吸い込んだ<平和>という名の空気が私に見させてくれた夢が<花の街>であった。”
“<花の街>の詩のなかで、「泣いていたよ/街の窓で・・・・」という一行も、焼土に佇つ、戦いに敗れた国の庶民の、住む家も、仕事も失った、途方にくれた悲しみの姿を映しているのだ”
松井さんはこのあたりの背景を良く噛みしめながら音楽の解釈を行われたようです。東日本大震災にもつながっている訳です。

以前、やはり東混の演奏会だったと思いますが、童謡の「シャボン玉」の本当の意味は、作詞者、野口雨情の幼くして亡くなった子供を追慕することにあると言う説明を聞き、なるほど、そう言う事かと納得しました。そう思うと作曲者、中山晋平の素朴なヨナ抜き音階のメロディー(一ヵ所だけ移動ドのファ=4音が出てきますが)も深みを増すように感じられます。
音楽の解釈って重要ですね。広く、深く情報を収集して、そして考えて創造する…でも、これってとっても楽しい活動ですよね。

その他の曲ですが、「ジェリコの戦い」とか「町からネコ」のようなアップテンポで技巧的な楽曲は東混の合奏能力の高さが光ります。
ヘンデルのHallelujah!は、はーみごと!と感動。ヴェルディは…、カミングアウトしますけど、私、ヴェルディ大っ嫌いなのでコメントしません。レクィエムと聖歌四編は好きですけど。
モーツァルトの静謐な緊張感は極上、武満徹作品も勿論すばらしい!「翼をください」はオリジナルも編曲もとても素敵。「夕焼小焼」は…三善先生の編曲が凄くてビックラでした。
因みに普段、辛口コメントばかり言う我がカミサンも大いに感動しておりました。

演奏会終了後、練習会場からエントランスに進むと、東混メンバーの方々、松井さん、伴奏の渡邊さんが見送って下さってます。
松井さんに「たいへん素晴らしかったです!」とか酒落臭いコメントを申し上げて、ウン千円ばかり献上。
このあと新大久保のコリアンタウンに向かった次第です。

 川島


ぱり散歩


ちい散歩⇒ぱあ散歩⇒ぱり散歩…なんちって、オヤジギャグ以外の何物でもありません。わざわざ説明するのも野暮と言うものではありますが、どうしても言いたい!
と言う事で、ぱり散歩であります。
とは言ってもビストロのオッサンと親しく会話できるようなフランス語能力を有している訳ではありませんので、専ら観光視点での「散歩」であります。その点、「ぱあ散歩」ほどの掘り下げは有りません。悪しからずお付き合いの程、お願い致します。
仕事の関係でパリには何回か来ている訳ですが、今回もまたぞろ仕事。その合間を縫っての「お散歩」であります。あー忙しい! Continue reading »